Saturday, September 15, 2007

実際の相談事例(詐欺・迷惑営業)

これらは、私が岡山県消費生活センターに勤めていた時期に、実際に受けた相談事例の一例をご紹介します。
  本当に起こった事ばかりです。人ごとじゃないですよ!

CASE1 06年5月
{不当請求/大手衣料メーカー関連の配送会社に勤務のトラックドライバーさんの事例}
ある日携帯電話に着信履歴があった。それにかけ直すと、「あなた借金があるでしょ、保証協会のものだけど、勤務先教えてもらえます?」と質問された。消費者金融から幾らばかりかかりていたので、勤務先の電話番号を言った。数日経って、勤務先に電話が入るようになった。電話は親会社(地方支店)の総務が受け付けている。最初は、総務から取り次ぎがあった。そして、「金を借りませんか?」と融資の営業だったので、今は必要ないと言って切った。もちろん、かなりしつこいいい方をされた(その方によく確認しましたが、消費者金融会社とは支払い上のトラブル等ありませんでした)。その後、また電話がかかってきた。今度は総務で電話に出たOLさんに、半ば脅すような事を言ったそうだ。そういった電話が一日5回ほど入るようになり、総務のOLさんたちが恐がるようになった。そして、上司から、このトラブルを自力で解決できないと、仕事を辞めてもらうと告げられた。
地元の警察に相談したが、威力業務妨害罪などの適用はこの段階では難しく、また事件が発生していないので介入ができない、という趣旨の返答だったようだ。そして、消費生活センターを紹介された。その後もその電話は続き、さらにエスカレートしているようだ。
相手はおそらく、違法操業のヤミ金だと思われる。
警察が介入できない理由は、個人が個人にお金を貸し付ける事は違法ではない、からだ。
民法上でも何も特約がなければ、年利5%とする、と金利設定も可能である。
ヤミ金は、営業として、継続反復的に金員を貸し付けるにあたって、財務局長または都道府県知事の登録を受けていない者とされる。
個人的にしかも法定金利(利息制限法上限20%、出資法上限29.8%)を上回る金利を設定していなく、また借金はその貸し借りの話し合いがついたとしても、実際のお金が動かないと契約として成立しない。なので、この段階では事件として扱えないのである。
もし法が介入するとすれば、特定商取引法、第17条で、電話などで断った人に対する再勧誘の禁止くらいだろうが、この法には罰則規定がない。
私もその方の会社に事情を聞くことを兼ね、上司の方とお話させていただいたが、既に行政機関などに相談をしたが、どこも解決できるものではない。業務に支障をきたしているうえに、警察なども助けてはくれない。法人税を支払っている企業からすれば、また住民税を払っている立場からしても、普通困ったときは助けるのが常識だろうが、行政も司法もそれができないでしょう。結論から言えば、その原因になっている人がいなくなる事で解決するしかないだろう、可哀想だと思うなら行政でその人物を雇えばよいではないか、他に何か解決策はあるか?との返答だった。
聞くところによると、この支店は今でも大幅なリストラを敢行しており、人を辞めさせる理由になるとも思える返答ではあったが、警察も行政も介入できなくなんら助力にはならない事は認めざるを得ない。私も、この方や上司にたいし、不当な請求には応じないように、としか言えず、なんら解決に至るものではない。
会社として、なんでも相手にあわせて要求を呑んでしまうと。逆につけこまれ、あるミシン会社のように、ずるずると資金を提供せざるを得ない状況をつくり出す危険性があり、営業上からも業務に支障をきたすものは排除するのが当然の処置とも言える。
この方の雇用に関しての問題は、労働基準監督署と弁護士法人を紹介し相談してもらうことにしたが、この件でこの会社への忠誠心などモチベーションは極端に低下しているように見受けられた。

CASE2 06年6月〜継続中
{不当請求/中堅専門商社・小売チェーン勤務の方の事例}
最初、家に電話がかかってきた。ショッピングの料金を延滞料を含め15万円ほどを支払ってほしいと言われた。確かになにかのショッピングをした事を思い出した。その件かと思い、請求に応じて銀行口座に振り込んで支払った。口座名などその時は気にしなかったが、今思うと個人名だったのではないか、と思う。確認を怠った、うっかりしていた。
その時、相手から。手続き上勤務先を教えてほしいと言われ会社名を言ってしまった。
ある日、私宛に総務部に電話があったようで、私のオフィスに取り次がれた。
すると、また請求をすると言ってきた。以前支払ったので、その請求は間違いじゃないのか?と尋ねると、「あなたの個人情報が登録されているので、抹消するためにかかる費用の請求だ」と言われた。そんなバカな話はないと思い、断ると、ほとんど脅迫に近い言い回しで、「回収会社に廻すから、そこから連絡があるだろう」等と告げられた。
そして、実際、別の会社名を名乗る男から電話があり、遅延金、手数料を含めた金額を払え、と度々要求されている。会社の電話が使われるので、電話番号を変更するわけにもいかず、どうしたものか困っている、と相談に訪れた。
{もちろん、不当請求なので、支払いに応じる必要はないのだが、嫌がらせ電話的にエスカレートする危険性がある。しばらく時間をかけ、リスク要因を低減する方法で解決をはかることにする}

06年7月
{オレオレ詐欺を思わせる電話/一般家庭の事例}
「おたくの娘が英語塾を開いた資金100万円を支払わずにいる。利息だけは支払っているようだが、親であるあなた達も連帯保証人にされているので、3日以内に、現金で100万円支払ってもらう。もし支払いができなければ、一生娘とは会えないだろうし、娘は私の元で働かすことになる。」と電話が入った。現金をそんなに短期間に作れない、どうしたらよいのか?と母親(70才代)から相談があった。娘に事情を確認したか?と聞くと、していないとの返答。電話の相手は、大手クレジット会社を名乗っているようだが、通常事業性資金の貸出を行うとは思えない事業者で、しかも、金利の支払いを行っているという内容。当然、元金返済期間は延長されるが、すぐに現金で支払えなど、ありえない。オレオレ詐欺の疑いが強く、NTT132番で相手の電話番号を確認し、警察に通報するよう助言した。

Tuesday, November 14, 2006

事業者様からの、ご質問、苦情をサンプルに回答してみました。

Q 会社は、クーリングオフができるのか?
訪問販売で、消火器の点検に来た、と出入りの業者のように振るまい、よく事情が飲み込めない従業員にあいまいな返答をさせ、会社に設置してあった消火器と、訪問販売業者が持ち込んだ消火器 を交換し、40万円弱を請求された。消火器などには出入りの業者に点検させているので、その会社の契約は聞いていないと総務が答えると、訪問販売の業者は、「作業を完了した」「従業員の承諾を受けた」「従業員のせいで誤解が生じたのだから、支払いはしてもらう」「消費者と違って、会社にはクーリングオフがない」と言い張る。

A クーリングオフができる場合がある。
上記の場合、訪問販売によるクーリングオフの主張でありますから、訪問販売や電話勧誘販売等を規制する法律「特定商取引法」によるクーリングオフが適用されます。この「特定商取引法」は、法人を適用除外とは定めていません。
法文中に、「営業」に関する取引については、クーリングオフを認めてはいないのですが、その会社の「営業」には、まったく関係のない物品の購入については、裁判例などからクーリングオフを認める傾向にあります。
*上記の消火器については、大阪高等裁判所にて、クーリングオフを認める判決となり、その後の業者からの上告は却下されました。

Q お客さんに、お買物をお断りいただけるのか? 
いわゆる事件屋ではないが、店の商品にあまりにも頻繁クレームをつけ、毎回、返品、返金を求めるお客さんがいて、困る。お店では、お客様からの信頼を考え、3日以内の返品、返金を受け付けている。お客さんは、「消費者の権利があるから、店は商品を売らなければならない。外国人でも店を追い出されたことを訴えたら勝った」と言うのだが、こういうお客さんを相手にしないといけないのか?

A 取引(契約)を断ることは可能。
そもそも、「契約を取り交わす、取り交わさない」を規制する法律はありません、あくまで自由です。次に、店には管理権があります。次に、お店で取り交わした契約は、一部の例外を除き契約の取消はできません。つまり、法律的には返品、返金の設定をしなければいけないと言うことはありません。(*上記のようなお客様だけ特別に、返品ができない等との条件を個別に設定することは可能だとは思いますが、他の客と比較して差別を受けた、等と主張される可能性もあります。同様事例の裁判例等を入手次第、改めて、御報告いたします)
店は、公共スペースのような性格がありますが、私有地でもあり、オーナーや店長さんには管理権があります。お店の公序良俗を乱すようなお客様には、退店頂くよう指示を出すことができます。因みに、上記例文のある外国人の方に対する判例ですが、この方はお店の陳列商品を眺めていた所、店主に人種差別的な態度をとられた事を訴え、勝訴しました。お店の管理権とは考えを異にするものです。

Q 裁判は被告の居住地でしなければならないのか?
東京にいる知合いのレストランオーナーと意気投合し、岡山で採れた玉子を使った料理店を、東京近郊に出店することになっていた。ある日、そのレストランオーナーは、別のチェーン店の事業を、その場所で行いたいから、料理店はしたくない、と言い出した。岡山の玉子農家には、20万円と金額的にはそんなに多額ではないが、サンプル出荷の契約をとっている。東京のレストランオーナーを契約不履行で訴えたいが、裁判は被告が住んでいる東京で行われるのが普通だ。ましてや、事業上のトラブルだ。岡山に移管される事はないだろう。東京まで足を運ぶだけでもばからしくなる。腹立たしいが、やはり、何も手立てがないのだろうか?

A 訴訟内容を「損害賠償請求」にすれば、原告が住む裁判地で裁判ができる。
契約不履行で訴訟を起こすと、相手方住所地の裁判所管轄となりますが、損害賠償、上記のケースだと、玉子農家への契約分などでの損害分につき、賠償を求めれば、管轄が原告側住所地でよいことになります。

*上記の内容は、あくまでご参考としてご活用ください。上記例文、また上記インターネットホームページにての内容から損害が生じた等のご主張等には、一切応じませんのでご承知ください。実際の事案をお持ちの方は、参考意見として、本状をご活用のうえ、顧問弁護士さんなどにご相談ください。きっと、スムーズな御回答を受けられるでしょう。